2019-自殺統計についての意外な事実

平成30年中における自殺の状況

毎年3月になると厚生労働省が自殺についての統計を発表する(自殺の統計:各年の状況

いくつか興味深いことがあったので、統計的視点からいくつかピックアップしていく

  • 自殺者はバブル崩壊から年々減少傾向にあるが、バブルにめちゃくちゃ自殺率が上昇したのが回復しているだけで、1970年代と2019年の自殺者数・自殺死亡率はだいたい同じくらい

  • 2018年で自殺者が一番多いのは3月。これは季節の変わり目で自律神経が乱れることや、春で周りだけ楽しそうで自分が孤独感を感じてしまうことが原因だと報告されている*1

  • だから3月は自殺対策強化月間となっている

  • しかし、前からずっと3月が自殺率が高いわけではない。2003年には4月、2000年には6月だったり*2と、意外と時代によってバラバラ

=>イデア:自殺者数の先行指数となる係数(自然災害・失業率・寒暖差・降雨日数)から、将来の自殺者数の予測をし、自殺防止にかけるリソースを最適化するのはどうだろうか?
例えば、こころの相談室のオペレーターの数、広告数などを調節できそう
僅かな効果の違いでも、人が1人でも助かるなら効率化するリターンはあるはず
研究の例: Advanced Daily Prediction Model for National Suicide Numbers with Social Media Data (7日後の自殺者数をSNSのみんなの投稿から予測した論文。経済問題と感情に関する単語が多く出てきたときに自殺者が増えるらしい)

  • 自殺率が一番高いのは、ここしばらくずっと50~59歳

男女の話

 家庭問題 健康問題 経済・生活問題 勤務問題 男女問題 学校問題 その他 合計
男÷女 1.56 1.41 6.90 6.98 1.74 2.22 2.62 2.05
カテゴリ別自殺者数÷総自殺者数 15% 49% 16% 10% 3% 2% 5% 100%

男の自殺者数を女の自殺者数で割った数字を表にしてみた

中でも異様なのが、経済・生活問題勤務問題による自殺者数の男女差だろう

もしあなたが独裁する国で、この男女差は男女差別だ!と糾弾され、この男女差を減らす政策を打つとしたら、下の2つのうちどちらを行うだろうか?

①男性の職場環境、給与体系を中心に改善する
②女性の職場環境、給与体系を中心に改善する

直感的には①が支持されそうだが、②によって「働いてお金を稼ぐ」という男のジェンダーロールを解消してあげるのももしかしたら効果的かもしれない